宮水学園 西宮のまちなみと景観
この日の講義は「西宮のまちなみと景観」について関西学院大学都市創造研究センター客員研究員兼非常勤講師 松本清一郎先生が講義をしてくださった。講演の主な内容は次のとおり。
1、私が住んだ「まち」
自己紹介を兼ねて、私の住んだ「まち」についてお話する。
■生誕地は温泉の町、大分県日田市天瀬町で露天風呂があった。
■幼年期は天領水のまち「大分県日田市」。日田天領水の原水井戸は四方を筑後川上流の「三隈川」に囲まれた中州のほぼ中央にある。豆田御幸通り・・江戸時代は九州における商業、金融の一中心地として栄えた。2004年には重要伝統的建造物群保存地区として選定され、「町並保存」が実施されている。
■学生時代、公園の町福岡県福岡市に住んだ。公園が多い町で、酉公園(桜)、南公園(動物園)、東公園(日蓮上人像)、大濠公園(一周2km)などがあった。
■社会人(新婚時代)は、商店街の町「大阪天満」日本で一番長い「天神橋商店街」2.6km(600店舗)に住んだ。
■子育て時代から現在は、宮水のまち「西宮」にすんでいる。西宮都市計画マスタープランがあり、宮水の「えん」でつなぎ育む美しいまち西宮である。
2、西宮のシンボル
「まちなみ」や「景観」を考えるにあたって、「西宮のシンボル」について考えてみる。神戸女学院の建物群、武庫川女学院第三学者(旧甲子園ホテル)、関西学院大学ランパス記念礼拝堂、関西学院大学時計台、今西邸、夙川カトリック教会聖堂など美しい建物がある。
3、「手づくり、まちづくり」
「まちづくり」の基本となる「まちなみ」や「景観」は、行政から与えられるものではなく、市民自ら作り出すものである。少しずつ手を加えながら、粘土細工のように、コツコツと作るイメージだ。みんなで個性的な作品(まち)をつくろう。私が関わった西宮における「まちづくり」についてお話しする。
まちづくりは粘土細工のようなところがある。最初に完成品のイメージがあったとしてもつくりながら形が変わっていく。少しづつ手を加えながら構築していく。大量生産はできない。その町にあった個性的な作品をコツコツとつくるというイメージである。「手づくり」でないと良い町作りはできない。私が住民として関わった「手づくりまちづくり」をご紹介する。
・コーポラティブハウス(個人共同住宅)
コーポラティブハウスとはメンバー(9家族)が集まって共同で土地を購入し、共同で建物(マンション)を建て、そのままメンバーが住むというシンプルな仕組みで、参加者の想いや経済条件を互いに確かめあいながら進めるまさに手作りプロジェクトだ。周辺住民の方への説明会、住宅ローン申請、管理規約の作成などすべて直接自分たちで行う。最小単位の「町づくり」といえるかもしれない。
コーポラティブ・PROJECTの流れ
人集め(7世帯)→土地探し・資金計画→人探し(追加2世帯、軽9世帯)→住む場所(階数)の確定→計画プラン作成→金融機関からの借り入れ→土地購入→マンション建設・地元説明会→建物発注・管理規約作成→建物完成・入居
・地区計画(町内会)~町内会まちづくり
約500世帯の「一つの町内会のまちづくり」である。どのような町にしたいか?・・・町内住民の目線にあわせ、つまり合意形成が大事だ。
町(町内会)の周辺環境や土地、建物の現況調査を実施し50回を越えるディスカッションを重ね、3年がかりで地区計画決定に至った。9割以上の方の合意形成がはかられた。「まちづくり」・・・町内会単位がベースではないかと実感した。
計画決定して10年経った今再度、検証してみると・・・ほぼ当初の計画通り進んでいるとおもわれる。
・住民参加型公園づくり
子供達がころんでも怪我をしない芝生の公園が作りたい。本物のクリスマスツリーが欲しい。大人になっても思い出に残る存在感のある「町内のへそ」のような岩があるといいな。ブランコ、滑り台、砂場ははもういい。
ワークショップで出た意見をまとめ、絵にして行政と調整した結果、実現した公園づくりだ。秋には「お月見コンサート」。冬には10m以上に育ったツリーにイルミネーションを皆でつける。地域で管理する自分たちの利用される公園づくり」だ。「手づくりまちづくり」には欠かせない。
4、まちづくりへのチャレンジ
西宮は大学の多いまちである。学生たちと取り組んでいる西宮の「まちづくり」についてご紹介する。
西宮には大学生が33,000人いる。生涯学習大学の皆様方を入れると「頭の柔らかい元気な学生」でいっぱいだ。ここで、関学の学生達と取り組んでいる「まちづくり」について紹介する。
地域フィールドワーク西宮の取り組み
・上ヶ原文教地区まちづくり・・・昨年度から継続して取り組んでいる。
子供達に、子供の目線から、町を見て景観のすばらしさ、問題点の発見などをしてもらうことを目的にしている。学生主体でイベント企画を立案し「まちなみ発見クラブ」や西宮市の指導を受けて協働して進めている。
・今年度、新たに取り組んでいる活動として「都市型観光」をめざし、「プレみやまちたび博」活動のお手伝いをする
・夙川・苦楽園スイーツエリア形成まちづくり
夙川・苦楽園エリアの活性化を目的として「スイーツ」をテーマとして「都市型観光」にチャレンジ。ケーキ店と喫茶店のコラボを企画カフェにケーキの持ち込みを企画した。
・宮っ子協力隊
・子どもまちなみ学習。など
5、海外の「美しいまち」
海外の「美しいまち」をスライドで紹介された。
スイスのベルン、スペインのバスク地方、イタリア南部のアルベベッロ、ドイツのフライブルグ、クロアチアのトロギール、ハンガリーのブダペスト、イングランドのストラットフォード・アボン・エイボン等がスライドで紹介された。








